アメリカ皆既日蝕の旅 Day.3

皆既日蝕当日です。朝6時の朝食開始から、もりもり食べました。天気は快晴です。7時から陸上競技場のゲートオープンで、7時過ぎにコンクリで固められた場所に陣取りました。芝生やトラック(ゴム?)はカメラが振動しそうなためです。ポラリエの極軸合わせに取り掛かりましたが、カメラ搭載後に北がずれてると思って最初からやり直したり、旅疲れのせいか頭がまわらなくて難儀でした。案の定、日本で練習した時より合わなくて、部分日蝕中に太陽がずれていってしまう始末でしたが、都度調整してなんとかなりました。

今回の日蝕観察のテーマは、「肉眼で見る」でした。ケアンズでは、あれこれ静止画撮影を頑張ったものの、ダイヤモンドリングの撮影に失敗したりでした。今回は4K動画撮影をしながらカメラは放っておいて、肉眼での観察に専念しました。ただ、皆既を肉眼で見る、という思いが強すぎて、「皆既中の星を見る」ということをすっかり忘れてしまいました。また、シャドウバンドについても気がつくことが出来ませんでした。

上の動画(スマホで撮影)を見ると分かりますが、小型飛行機がスモークで空に線を描いてしまいました。範囲からいってもオレゴン州立大で観測している人向けのようです。見る場所によっては太陽にかかってしまったのではないでしょうか。あと、肉眼は皆既の様子を見続けて、スマホの画面を見ないで録画していたので、西の空が明るくなる様子は指がレンズに被さってしまって真っ暗になってしまいました。

大きな失敗としては、皆既開始前に太陽を見てしまったことがあります。NDフィルタを外したりしてるうちに太陽光を見てしまい、肝心の皆既開始時に目の中に残像が残ってしまっていました。上海は雨、お台場は曇り、ケアンズは雲の中で皆既開始、で、快晴の日蝕は初めてでしたので、太陽光を見てはいけない意識が低かったためです。次回は、地面のシャドウバンドや本影錐に気をそらして、太陽を直接見ないように心がけたいと思います。

皆既中は、鳥が騒いでいることからも分かりますが、動物としての恐怖がどこか心の奥底に湧き上がっていたように思います。何といっても、冷たい風が吹くのが怖ろしい。時間も短いので、焦燥感のようなものもあります。理性の上では、長年の望みが叶った喜びと、不思議さと、もう死んでもいい、いや、何があっても平気で生きられる、生きるぞ、という決意みたいなものと、ごちゃごちゃに入り混じっていました。あと、本気で電灯をつけたくなりました。もっと光を…って感じです。

もうひとつの失敗としては、祝杯を用意しなかったことでした。皆既後にツアー参加者の女性グループがビールか何か飲み始めていて、とてもうらやましく思いました。最高の味だったろうな~と思います。

第4接触までが日蝕なのですが、早々ホテルに撤収する人たちもいました。自分は最後までのんびりして、二礼合掌一礼してお日様にお祈りし、おひらきとしました。

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